各ドーシャについて説明していきます。
まずはヴァータ(ワータ)から。
ヴァータは、風と空の要素から成り立っています。
軽い、乾燥、冷たい、動く、速い、という性質があります。
特に動く、という性質が重要です。
体の中のあらゆるレベルの【動き】は、ヴァータがあるから起こるのです。
排泄、生理、出産もヴァータのおかげ!とアーユルヴェーダでは言っています。
面白いですよね。
体の中では、絶えず【動き】があります。
見た目的には手足が動いていないように見えていても、
体の中では心臓が動き、肺が動き、血管を血液が流れ、
意識には上らないけれど、筋肉は微細な収縮と弛緩をして姿勢を維持しています。
そういうすべての動きを起こさせるものが、ヴァータのエネルギーです。
ヴァータは、神経系、臓器同士の情報交換を司ります。
神経系は、感覚器官からの情報を受け取って中枢に送り、それが快か不快かを判断します。
また、手足を動かすなどの動作は、中枢からの命令が神経系を通って筋肉に行きます。
さらに今では、各臓器同士が直接情報を交換し、その働きを調和させている、という
人体観がクローズアップされてきました。
この臓器同士のやりとりは、まるで人間関係のようです。
そういう情報のやり取りも、ワータが司っています。
寝たままでも、体の中を血液がめぐるのは、心臓が動いているからです。
寝ていても、呼吸という空気の出入り(動き)があります。
呼吸を通して、人は空気中の酸素を、血液に移動させることが出来ます。
人が生きていけるのは、体の中で様々な動きがあるからです。
ピッタが司る消化も、消化酵素が分泌(分泌器官から消化管に動く)されるから起こります。
カパが司る骨も、常に新しい細胞に置き換わっている(動いている)から、その形を維持できます。
それらの動きすべてを司るのがヴァータです。
ヴァータがあるから、他のドーシャがその機能を果たすことが出来ます。
また、【 動き 】は【 変化 】【 移動 】とも言い換えられます。
例えば気温が昨日に比べて、大きく下がった。
そういう時、気温の【 変化 】が大きいとも言えます。
飛行機で、沖縄に行った。
存在している高度が、地上から上空へと大きく【 変化 】し、長距離を【 移動 】しています。
こういう時、ヴァータがとても高まりやすくなります。
ヴァータが多い人は、熱しやすく冷めやすい、気分のアップダウンが激し目、すぐ覚えてすぐ忘れがち。
これも、
熱しやすく冷めやすい → 興味の対象の【変化】
気分のアップダウン → 気分の【変化】
すぐ覚えてすぐ忘れる → 記憶の【変化】
風は、高気圧から低気圧へ空気が【 動く 】ことで起こります。
何かが動くためには、動く分だけのスペース、【 空間 】が必要です。
なのでヴァータは、空要素と、風要素から成り立っているのです。