先日、春画展に行ってきました。
筆で描いた線が、なんとも言えずすてきでした。
アーユルヴェーダでは、性生活についても述べています。
性生活や夫婦生活をカーマと言い、
ダルマ(法則)アルタ(富)、カーマ(性愛)、モークシャ(解脱)の4つの人生の目的の一つでもあります。
ダルマとは、社会の中でその役割を果たすこと
アルタとは、それによってふさわしい財産や富を築くこと
カーマとは、生活の中で楽しみを見出し、~~したい、~~が欲しい、を実現させていくこと
モークシャとは、最終的にそれらすべてを手放すこと、です。
春画はまさにカーマです。
日本版カーマスートラとも言えそうです。
カーマは、適切に人生に取り入れられれば
日常に刺激や楽しみを与え、人生をハツラツとしたものにしてくれます。
カーマを適切に楽しむためには、正常な五感と、適切に楽しむ他の知識が必要です。
なので、アーユルヴェーダの中では、 適切な性行為を行うために必要なあれこれについて語られています。
適切な年齢、場所、時間帯、頻度、前処置、後処置、
相手に必要な性質、ふさわしくない性質などについて書かれています。
書いてあることが、けっこう合理的な面が強くて、中々面白いです。
例えば、性行為をする時間帯について。
早朝、昼間、夕方、真夜中はふさわしくない、と言っています。
要は、これらの時間帯だとヴァータドーシャやピッタドーシャが増えすぎるので、良くないのです。
特に夕方は、ヴァータがいちばん増えやすい時間帯です。
頻度については、
冬は満足のゆくまで
春と秋は3~4日に1回
夏は15日に1回
これも、冬がいちばん体力がある季節で、
次に春と秋、
夏はいちばん体力が低下する季節なので、いちばん頻度を少なくします。
アーユルヴェーダの外科・内科の古典であるスシュルタやチャラカにも
精力を増長するための環境について、とてもロマンチックで、力の入った記述があったりして
なかなか興味深いです。
昔の人も、ムードを大切にしていたのですね。
以下、チャラカからの引用です。
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小さなため池に咲くハスの花の周りを、酒酔したように飛び回るミツバチのように
ジャーティ、ウトバラ(花の名前)の芳香が漂い、心地よく冷却された部屋が望ましい。
敷地内の傾斜のある川には次から次へと水が湧き、山の頂は緑色で、
青空には白い雲が立ち込め、夜は美しい月が光り、 ハスの群れからは漂う芳香がある。
風は心地よい感触を持ち、夜は房事を満喫するには十分長く、サフラン、ジンコウの芳香が男女の愛情をさらに増す。
こうした環境は幸福感を与え、男女の愛情に援助的であり、人里はなれた場所にはカッコウの鳴き声が響き渡り
美しい花は満開であり、食べ物や飲み物は十分あり、
かつ清潔に準備され、魅入られる音楽や歌、芳香物の使用に心は広がり、気がかりなことは何一つない。
欲しいものはなんでも満たされ、すべての必要品が整っている。
ここは快楽の神の武器のすべてである女もいる。
婦人は年が若く、婦人にあう時刻は心が乱れるときであり、
これらが、男のために最も喜びを増す要因となるものである。
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五感をロマンチックに満たすことが、女を満足させ、くつろがせます。
そうして満足している女性が、男性の心を乱し、かつ喜ばせる。
ということです。
うーん。
アーユルヴェーダ、奥が深いです。